2017年9月18日 kazuipress

高岡重蔵永眠のお知らせ。

当社前社長であり、私の父である高岡重蔵は老衰のため、9月15日13時15分、96才で永眠いたしました。
ここに生前の故人に賜りました皆様方からの数々のご厚誼に対し謹んで御礼申し上げます。
一昨年の夏に肺炎を発症し、入院し治療してまいりました。肺炎は克服したものの体力が衰え、昨年から介護施設に入所しておりました。体力の衰えで身体の動きは不自由になりましたが、頭の方は衰えておらず、亡くなる2週間程前までは私に対しても叱咤激励し、近いし人には部屋で特別授業を行うぐらい明晰でした。印刷職人としては既に一線を退いておりましたが、頭の中にはいつもステッキ(活版組版の道具)を置き、生涯現役だったと思います。
当社は設立60周年を越えました。今日のデジタルフォント、組版の時代に今でも欧文活版印刷一筋に営む事ができているのは全て先代社長である父重蔵が強固な礎を築いてくれたお陰です。私も社長を引き継ぎ25年が経ちますが、私の人生の大きな部分を生み育ててくれたのは父の存在でした。
2年間、それより以前から父を支えて頂いた、知人、友人。ドイツ、イギリスから来日の度に見舞いの来て頂いた皆様、海外から映像や手紙で激励してくれた友人達に励まされ元気づけられた日々でした。
20年以上前に亡くなった母のかわりに生活の面倒を見てくれた女房、成長を見るのが生き甲斐だった娘たち、姉夫婦に感謝します。
法名は『釈欧道』となりました。「欧」は父と私の想いで「道」はご住職様に入れて頂きました。美しい欧文組版に憧れた続けた96年の生涯でした。
尚、生前からの故人の希望により9月18日に家族のみで告別式をすませました。皆様には改めてお別れの会を催したいと思っております。
これからも父の意思を継いで、美しい欧文組版に邁進してまいります。父同様これからも宜しくお願い致します。

嘉瑞工房 高岡昌生