2012年1月1日 kazuipress

新春ご挨拶 2012

新年あけましておめでとうございます。
昨年、3月11日の震災で亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈り申し上げます。今もなお避難生活を送られているかたがたくさんいらっしゃいますが、一日でも早く平穏な暮らしに戻られることを願っております。
当社でも和文活字に被害があったものの、輸入活字、欧文活字に全く被害がなく、なにより家族が無事であった事を感謝しています。

一昨年11月から始めた「Typetalks」はおかげさまで7回を無事に終えました。多くの方にご参加、ご協力いただき感謝しております。今年からまた新たな気持ちで続けていきます。よろしくお願い致します。

3月に開催を予定していましたZapf展も震災で延期になってしまいましたが、主催者のご努力で9月に無事に開催でき、多くの方に見ていただきました。微力でしたがお手伝いができ、ご夫妻に喜んでいただけたことは、大変嬉しい出来事でした。

活版印刷に対する考えも多様化してきました。活版で印刷することが「目的」になって来てしまっていますが、良いとか悪いとかではなく、当社は、良い欧文印刷をするための「手段」として、これからも活版印刷と向き合っていきます。

活版印刷と向き合っていくという軸はブレませんが、欧文組版の可能性広げる、ことにもチャレンジしていきたいと思っています。
昨年から行なっています「Web Design上の欧文デザイン」のセミナー、実施の段階に入った集英社さんと共同開発「電子版マンガの欧文組版監修と組版ルールの作成」、デザイナーさんに協力して行なった構造物(蔦屋代官山店)に対する書体選択、組版監修など、今後に可能性を広げる仕事ができました。
本年、Typetalksでも行ないますが「InDesign上の欧文デザイン」、「パッケージデザイン上の欧文組版」(企業セミナー)、など新しい分野にもチャレンジしていきます。
徐々にですが、欧文組版の重要性が理解いただきつつあることを実感しています。ただし「知識」は、表面上の回答にはなるかもしれませんが、発展はありません。コンセプト、制約などの事情聞いて「知恵」出し合う作業はとてもエキサイティングです。
実際の作業の中で生まれた「知恵」は口頭で得た「知識」より数百倍も有益です。担当者の欧文組版も必ずキャリアップします。
今年もこのような仕事ができたらと思っています。

昨年は震災とともに景気低迷の年でした。今年も厳しい年になりそうです。
しかし、昨年暮れから色々な展開の芽ともいうべき話もありました。いつまでも縮こまっていられません。皆さんと英知を絞り、連帯を深めて難局を超えていきましょう。
本年もよろしくお願いいたします。

[年賀状クイズ]
今年の年賀状は私の好きなメーセージを、金属活字「KLANG」Designed by Will Caterで印刷しました。背景には復興の願いを込めて、東北の地図を印刷しました。さて、ここで問題です。
この東北の地図を印刷した「版材」は何でしょう?
もちろん、樹脂凸版、亜鉛凸版、銅版、マグネシューム版など通常の活版印刷用版材ではありません。実物を見ないと解りづらいと思いますがテクスチャーを見て想像してみてください。1月中にメールでご回答頂き正解の方に、当社のポストカードをプレゼントします。印刷方式はもちろん活版印刷ですよ。正解は2月の始めにこのサイトで発表致します。
写真a.JPG
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