和文の場合は『文選』の工程が入ります。
欧文書体デザイナー 小林章氏のトレーディングカードです。
全体の内容、デザインを決めた原稿(指定図)を用意します。使用する欧文活字の書体、大きさ、レイアウト位置、マージン、色指示を書き込みます。今回のデザインはペンラインの飾りケイも使いますのでその位置指示も書き込みます。
実際に刷ってみないとわからない箇所もあり、試し刷りの後に修正します。
原稿に従って指定された通りに文字や記号を並べます。字間や行間、まわりの空白部にも”
インテル”や”込物”という活字より低いものを並べて文字を指定の位置に固定し、印刷するための版をつくります。この作業が『植字』です。(『組版』ともいいます)
まず、使用する書体の活字ケースを植字台の上にセットします。
植字作業には組版ステッキ(Composing stick)という専用の道具を使用します。
左手で組版ステッキを持ち必要な組巾に固定し、インテルや込物を入れながら右手で活字を拾いステッキ上に並べます。活字が傾かないように活字を並べるたびに親指で押さえます。
一度に全部組めないので、数行組んだらゲラ(Galley)の上に移し、何度かに分けて版全体をつくっていきます。
版がバラバラにならないように結束糸でまわりをしばります。この作業を『結束』といいます。
版に間違いがないか、活字に欠けがないか等を確認するため、校正刷りを行います。(『ゲラ刷り』ともいいます。)
版を校正機の上に乗せます。
版にインクを付け、紙を乗せ、シリンダーで圧をかけて刷ります。
間違いや活字に不備があった場合、活字を差し換えます。結束糸をはずし、あらためてステッキ上で組み直すこともあります。
校正刷り、校正、訂正をくり返し、版を仕上げて行きます。印刷できる完全な版ができた段階が『校了』です。
版を印刷機に取り付けられるように、金属の枠の中に組み付けます。この金属の枠のことを『チェース』といいます。
まず、版を定盤(金属盤)の上に移動します。
版のまわりにしめ木、しめ金を置き、2方に版を固定するためのしめ付け金具(ジャッキ、正しくはクォイン〔Quoin〕)を入れます。
金具は軽く締めておきます。
活字の高さをそろえるため、版の上にならし木を乗せ上から木づちで軽くたたきます。この作業を『ならしをかける』といいます。
ジャッキをしっかり締め、版を完全に固定します。
印刷機にはいろいろな種類の物がありますが、ここでは、名刺サイズが刷れる電動式印刷機を使います。
ローラーを取り付け、インクをのせます。
版を組み付けたチェースを印刷機に取り付けます。紙をセットして、見当調整(紙に対する刷り位置の調整)、印圧調整をします。調整が終わったら本刷りです。
印刷が終わったら、ローラーの清掃と版の清掃です。版は印刷機からチェースをはずして洗い油で洗います。
版を分解し活字や込物、インテルなどを所定の場所に戻します。この作業を『解版』といいます。