活字を使って行う印刷のことを活版印刷といいます。
印刷には大きくわけると4つの種類があり、版の種類によって凸版、平版、凹版、孔版にわけられますが、活版印刷はこのうちの凸版印刷のひとつになります。凸版印刷には他に、鉛版や樹脂版、写真凸版などがあり、これらを総称して活版印刷ということもあります。
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— 嘉瑞工房 (@kazui_press) 2016年6月6日
活版印刷の原理
木版刷りやハンコなどと同じで活版印刷の基本的なしくみはとてもシンプルです。印刷される部分がそれ以外の所より一段高くなっていて、その部分にインクを付け、紙をのせ上から圧力をかけて紙にインクを転写することで印刷されます。 木版刷りの場合は版が一枚の板からできているのに対し、活版印刷は文字の一つ一つが別々の活字でできており、文字を差し換えたり、印刷が終わった後にバラバラにもどし新たに別の版を組むことができます。活版のことを英語でmovable type(可動活字) というのはこのためです。
活版印刷の歴史
歴史上の最初の活字をたどっていくと、その始まりは中国の陶活字や朝鮮の金属活字にまでさかのぼります。しかし今日の活字の原型となるものは15世紀のグーテンベルグの発明によるものです。それまで手書きで制作されていた書籍が、この発明のおかげで大量に早く複製できるようになり、一般の人々にまで印刷物が広まることになりました。以後、活版印刷は印刷の中心となり、産業革命による機械化、技術革新によりさらに大量の印刷物が制作できるようになりました。 近年まで書籍、新聞、雑誌など、文字印刷に関するものは大半が活字で印刷されていました。 日本でも幕末から明治の初めにかけて、本木昌造により近代の活版印刷術の導入に成功し、その後長らく活版印刷が文字印刷の中心になっていました。 70年代あたりから写真植字、いわゆる写植を使ったオフセット印刷が台頭し、設備が大変で取り扱いの面倒な活版印刷は文字印刷の主役から降りることになります。今では、DTPの発達によりキーボードをたたくだけで文字製版が可能となり、活版印刷は、ごく限られたものにしか見られなくなってしまいました。
活版印刷の現状
現在では、活字を鋳造するメーカーも減ってきており、産業としての活版印刷はかなり苦しいものとなっています。しかし今でも名刺や案内状、ディプロマ(賞状類)など少部数でも精度の高い印刷物が必要な分野では活版印刷は生きています。
限定本で詩集や句集を活字で印刷するというような、趣味性の強い希少本の世界でも残っていくのかもしれません。
また、活版印刷を今のうちに可動する形で保存しようという動きも出てきており、ロンドンのタイプミュージアムや凸版印刷株式会社の印刷博物館などが活動しています。