2014年1月1日 kazuipress

新春ご挨拶 2014

新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。

昨年は自分の不注意から9月に肩を強打し脱臼してしまいました。
短期ですが入院、手術を行い、改めて健康の大事さに気づかされました。

前社長、父の重蔵は本年1月で93歳になりますがお陰様で元気にしています。昨年4月には烏有書林さんから『高岡重蔵 活版習作集』を刊行する事が出来ました。3大新聞(朝日、読売、毎日新聞)の書評や各メディアにもお取り上げいただき感謝しています。蔦屋代官山店では『高岡重蔵 活版習作集』発刊記念トークイベントとして小林章さんとの対談「欧文タイポグラフィ、世界を目指して」を開催して頂きました。
3月には久しぶりの英国一人旅にも出かけ、私よりも元気です。

昨年もたくさんの皆さんとの出会いがありました。
15年勤めさせて頂いた武蔵野美術大学は今年度で終了ですが、4年目の東京学芸大の特別講義、京都精華大学の特別講義。東京藝術学舎の特別講義。MeMe Design School、大阪、和文・欧文(欧文分科会 全5回)、2年目を迎えた企業向け「パッケージデザイン上の欧文組版」講座。「製本師が学ぶ欧文タイポグラフィセミナー」。新宿ものづくりマイスター技の名匠に学ぶ「活版印刷」。「カリグラファのためのタイポグラフィセミナーSeason 2」。紙業者向けに「正装のステーショナリーの世界」セミナー。
本好きの有志で開催している「本とのサロン」。
そして足掛け4年目で19回になりますTypeTalksでは「欧文文字の基礎の基礎、そのまた基礎!」を担当しました。
また変わったところではドイツ活字組版工房「フリーゲンコプフ」展でクリスタさんとトークショー。
映画「世界一美しい本を作る男」美篶堂の上島明子さんとトークショーでしょうか。
全てにおいて、対象や切り口が様々ですが、私の基本である、「美しく読みやすい欧文組版をする」事の応用であった気がします。

仕事の面では「詩」を組版する事が増えて来た気がします。
もちろん活版印刷でのご依頼ですが、単に活版が流行っているからとかでは無く、私の組版そのものに期待をして頂いている気がします。つまり、活版印刷が「目的」ではなく良い詩を印刷する「手段」として認知されつつある気がします。もちろん活版組版で挑む「詩」の世界は私のやりたい事の大きな項目です。詩を理解し、金属活字で表現する事の醍醐味は格別です。
主な仕事として、特装本「渦巻カフェあるいは地獄の一時間」野村喜和夫・北川健次 (思潮社)。年末に出来た、美篶堂コトノハノート、谷川俊太郎「ここ」の組版印刷です。今も和欧文で仕事を依頼されており、この嬉しい流れは今年も続く事を期待しています。

今年は、木活字による、花言葉カレンダーも作りました。今まで簡易な見本は印刷していたのですが、当社にどの程度揃っているが私自身も不明だったために、その書体見本も兼ねた、活版42度刷り、25色という手間のかかるカレンダーになりました。少部数しか作らなかったので残り僅かですが、よろしければお問い合わせください。

今年は、私事ながら2人の娘が進学し、新しい世界に飛び込みます。当社も新しい施策を計画中です。
常に前向きで、広い視野でこれからも「美しく、読みやすい欧文印刷」を心がけたいと思っています。
皆様にとって良き一年でありますように。
一月元旦
高岡昌生
年賀状IMG_6108.jpg活版習作集IMG_0571.jpgIMG_1360.JPGカレンダー6枚IMG_3654.jpg